あの人はドコ?行方不明大家の探し方。

前回、トラブルがあったとき、連絡先の探し方を書いてみました。しかし、ごく稀に大家さんに連絡が付かないことがあります。
今回は、そんなときの大家さんの探し方について書いてみたいと思います。

まずは、おさらい。原則は管理会社へ連絡!


前回も書きましたが、まず大前提は、契約書に記載されている管理会社に連絡すると言うこと。管理会社が設定されておらず、賃貸ショップに確認しても大家さんの連絡先が分からない。あるいは、大家さんに連絡を取ってみたけど、連絡が付かない、音信不通である。というところまでは辿り着いた方のみ、続きを読み進めて下さい。間を飛ばすと、いろいろ面倒なことになりますので注意して下さい。

大家さんの住所の調べ方。その1


適切にステップを踏まれた方は、一度は大家さんへお手紙を出されたと思います。もし戻ってきた手紙がある場合、宛名面をよく見て下さい。郵便局がなぜ差出人に戻してきたかを表示しているスタンプ(通常は赤色)や付箋があります。「あて所訊ね当たらず」や「あて名不完全のため」、「保管期限切れのため」、「受取拒否」なんて理由もあります。
このうち「保管期限切れのため」や「受取拒否」で還ってきた郵便物は、本来その住所には大家さんの表札らしき物が出ていて、配達は可能な状態です。もう一度、普通郵便で出し直してみましょう。
そのほかの場合は、どうやらその住所に大家さんは居ないようです。

大家さんの住所の調べ方。その2


契約書に書かれた住所に大家さんが住んでいないとすると、大家さんへ連絡を取ることが格段に難しくなります。通常の方法では大家さんの新しい住所を知る術がありません。
しかし、住民基本台帳法第12条の3第1項第1号には「自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者」は住民票を取ることができる、と記載されています。
そして、借りている部屋の修繕依頼をする(修繕履行請求権の行使)ために大家さんの住民票を取ることができます。ただ、この住民票の取り方は例外的で、近年、住民票などの不正請求も増えていることなどから、窓口では厳格に調査されます。ですので、この方法で取得される場合には「建物賃貸借契約書」、「修繕を求める場所の写真」、「戻ってきた手紙(封筒)」等を持参して、請求権があることと、調べる必要があることを見せなければなりません。
ただし、市区町村外へ転出されたあと5年を経過すると、住民票(除票)を破棄して良いことになっていますので、取れないこともあります。

住所が分かったらどうするの?


新しい住所が分かれば、もちろんその住所へまた手紙を送ることになります。それでも郵便が届かない時は、新しい住所で同じことを繰り返す必要があります。こうして手紙が届く現在の住所を探していく必要があります。これで連絡が付けば話は進むはずです。
もし、郵便が届いても返信がない場合は、1.気長に再度連絡してみる。2.自分で直して大家さんに費用請求する。3.引越して出て行く。のいずれかを選択する必要が出てきます。トラブルの状態がひどくない場合は気長に要求を続けてみて、契約更新のタイミングなどで家賃を下げて貰うようにお願いしてみるのも良いかもしれません。
自分で直して大家さんに請求する場合、トラブルになることも多くあります。やはり原則的には修繕は大家さんが行うものですし、自分で直すとしても大家さんの許可が必要です。
ここまで拗れてくると、そろそろ専門家(弁護士)と相談した方が良いかもしれません。

以上、今回は、大家さんと連絡が付かないときの連絡先の探し方について書いてみました。

大家さんの連絡先が結局見つからないときや、大家さんが修繕をしてくれないときは、ぜひ専門家(弁護士)に相談してみてください。色々アドバイスして貰えると思いますよ。