震災で被害を受けた借家の雨漏りを直して!

最近、大雨や地震など大規模な自然災害が多くなったような気がしますが、このような災害で借りているマンションや木造の借家が被害を受けたらどうなるのでしょう。
今回は、自然災害でのトラブルについて考えてみたいと思います。

地震のあとから雨漏りがするようになったんだけど!?


自然災害は忘れた頃にやってくる、等と言われますが、突然の地震はびっくりしますよね。建物が倒壊して大ケガをするなどしなければ、お皿が割れたなど多少の被害はあっても、まずは一安心です。
ところで、地震のエネルギーというのは想像以上に大きいもので、鉄筋コンクリートのマンションであっても壁や屋上にヒビが入ったり、木造の借家などでしたら屋根材に大きな損傷を受けていることがあります。
そうした場合、地震で直接被害がないように見えても、被災後雨漏りするようになったりします。こうした場合、通常は大家さんが修繕をしなければなりません。

大家さんに直して貰ってそれでおしまいじゃないの?


では、管理会社や大家さんに連絡してそれでおしまいになるのでしょうか。確かに、すぐに直してくれればそれでおしまいです。なんの問題もありません。ですが、壁や屋根の修繕というのは想像以上に費用が掛かります。時には建て替えた方が安い、等という場合すらあります。そういう場合にも修繕を要求するだけで問題は解決するのでしょうか。実はそうとは言い切れないのです。借りている建物が損壊、つまり壊れてしまったら賃貸借契約は当然に終了してしまいます。つまり一見、住むことが出来るようでも、実は、例えば屋根が大きく壊れてしまって、もう建て直すしかない、等という場合には、もはや直して貰うことを強制することは出来ず、賃貸借契約終了により退去することになります。実際に住めるのに何で!?と思うかも知れませんが、雨漏りして住まいとしての用をなさないのならやむを得ません。
時折、大家さんが直してくれない!と憤っている方を、インターネット上の書き込みなどで見聞きすることがありますが、もし、部屋の中は大丈夫でも、屋根や壁、柱などの構造部分に重大な損傷を受けているのであれば、実はとても危険な状態です。また仮に直すことが出来るとしても、建て替えた方が安いくらいの損傷度合いであれば、それももう経済的には全壊と同様の状態なのかも知れません。こういった場合には、既に賃貸借契約は終了しているとみられることがあります。

でも注意が必要な場合もあります。


では、もう住むことが出来ないので出て欲しいと言われた場合、どういったことに気をつければ良いのでしょうか。
もし大家さんから「損壊(目的物消滅)による賃貸借の終了」を伝えられた場合、損壊の日以降、家賃は発生しないことになります。借りてる物がない、というのですから当然です。また、貸主、借主どちらの責任にも当たらない契約の終了となりますので、敷金などは全額返還が通常ですし、汚したり壊した部分の修繕などという理由で敷金が控除されることは原則としてありません。ただし、契約による敷引きなどはケースバイケースになると思います。
また、震災による修繕費用の一部を賃借人に負担して欲しいという要求が大家さんからあると稀に聞きますが、先にも書きましたが原則として建物の修繕は大家さんが負担する費用です。もう住むことが出来ないので退去して欲しい、と言いながら、さらに修繕費まで要求するというのは辻褄が合いません。うっかり聞き入れてしまわないように注意しましょう。
あと、反対に立退料を請求する向きがあるようにも聞きますが、本当に損壊による契約終了であるならば、こちらも法的にはなんの根拠もない話。無理に請求して話をこじらせないように注意しましょう。

以上、今回は、自然災害による契約終了のあれこれについて書いてみました。

被災すると気持ちも荒んでしまううえ、退去まで求められるとパニックになってしまうこともあります。出来ること、出来ないことが分かるだけでも気持ちの整理に役立つかも知れません。そういうときは、ぜひ専門家(弁護士)に相談してみてください。色々アドバイスして貰えると思いますよ。